腱鞘炎
手首や手指が痛む、スムースに動かせない…
腱鞘炎は、つらい痛みだけでなく、日常生活の支障にもなりかねません。
腱は、”筋肉の末端”であり骨と筋肉をつないでいる組織です。
腱はその周囲を滑膜性腱鞘という柔らかい袋状の膜で被われていて、
その中は、ごくわずかな量の滑液を含んでいます。
この滑液によって腱はスムーズな滑走(動き)を可能にしています。
また、腱鞘の外側はより堅固な靭帯性腱鞘があり、腱の固定に役立っています。
腱/腱鞘は身体のどこにでも存在していますが、
「腱鞘炎」は、狭くてよく使われる部位で手首や手指に起こりやすくなります。
腱鞘炎とは …
腱とそれを包む腱鞘に摩擦が生じることによって炎症が起こる疾患です。
■腱鞘内面を覆う滑膜の炎症
■靭帯性腱鞘の慢性肥厚性の炎症
腱を被う腱鞘に炎症が起こることにより、動かすときの痛みや
動かしたときの引っかかりで動きにくいなど日常の生活に支障をきたします。
《腱鞘炎の症状》
腱鞘炎は、炎症が生じた腱鞘の周囲に痛みと腫れ、熱感(発赤)が現れます。
腱鞘の痛みと腫れによって腱がスムースに動かなくなることで指の動きが悪くなるのも特徴です。
手首や手指の腱鞘炎には部位や症状によって疾患名が異なります。
代表的な腱鞘炎は、「ばね指」と「ドケルバン病」があります。
~ばね指
ばね指は、親指やほかの人差し指・中指・薬指・小指の
指の付け根の痛みや腫れなどの炎症症状が出現します。
初期症状としては、
朝方に悪くなることが多く、日中は指を動かすことで症状が改善します。
病状が進行すると、指が曲がったままになり伸びなくなります。
これを、ロッキング現象といいます。
このとき、力を入れると”カックン”という感触とともに、
急に指が伸びたり曲がったりします。この状態がばね現象(弾発指)です。
指を曲げるときに使う屈筋腱がしごかれたように太くなり、
靭帯性腱鞘は炎症のために肥厚し、関節の入口部分でつかえてしまいます。
この引っかかりのために、指の動きに支障をきたし、
力を入れることで急に引っかかりが解放されます。
ばね指は、女性ホルモンが関与していることが知られていて、そのため
更年期や妊娠後期の女性に多いのも特徴です。
また男性や若年層では、キーボードやスマートフォンの入力等で、
よく指を使う場合に発症することが多いです。
~ド・ケルバン病
「狭窄性腱鞘炎」ともいわれ、手首から親指の付け根の周辺に生じる炎症を指します。
手首から親指の付け根の腱鞘には複数の腱が通っていて、そのうちの
「短母指伸筋腱」と「長母指外転筋腱」は同じ腱鞘に収まっているため、
炎症を起こしやすくなると考えられています。
短母指伸筋腱と長母指外転筋腱を収める腱鞘を
「手背第1コンパートメント」と呼ばれます。
ドケルバン病は、母指の使い過ぎによる負荷のため、
腱鞘が肥厚し、腱の表面が傷んだりして炎症を起こしたりします。
これは同じ腱鞘(手背第1コンパートメント)に、上記の2つの腱を分けて
通過させる隔壁が存在し、もともと狭い空間に腱の炎症や
腱鞘の肥厚が起こることでさらなる狭窄(=せまい)が生じやすくなるためです。
これが、ドケルバン病=狭窄性腱鞘炎です。
ドケルバン病は、手首の親指側が痛む・腫れるという症状と共に、
母指(親指)を広げたり動かすことでこの部分に強い疼痛が起こります。
母指をこぶしの中に握らせて、手首を小指側に90度曲げると激しい疼痛を感じます。
これは「フィンケルシュタインテスト(変法)」という疼痛誘発テストです。
このテストによって痛みが強くなる場合は、狭窄性腱鞘炎の可能性が疑われます。
《エル整骨院の施術方法》
超音波治療
超音波治療は、痛みや症状のある部分に100万回/300万回の高速ミクロマッサージを行なうことで、
細胞を活性化させて浅部~深部まで立体加熱することができます。
腱鞘炎で傷んだ腱などの組織を超音波治療で細胞を活性化させて治癒の早まることを期待します。
ハイボルテージ
ハイボルテージ治療は、深部の組織まで到達し瞬時に血流を増加させて痛みを緩和します。
5~10分ほどの治療で、血流を促進して発痛物質を押し流し、腱鞘炎の痛みを取り除きます。
鍼灸治療
鍼灸治療は、症状の強い部位の近くに治療をすることによって神経の亢奮を抑えて、
鎮痛を図り、また血流を促すことで発痛物質を押し流します。
治癒回復を早めたい方、なかなか改善がみられない方は是非、お試しください。